名無しの雑記

自分の好きなことについてゆるく書いていくブログです

さっき「オナニーマスター黒沢 」をいっき読みしたので感想を書く。

web漫画「オナニーマスター黒沢 」(以下オナマス)を全話(番外編含む)読みました。

 

今までずっと存在は知っていたけどそのタイトルと、単純にそのときは読む気分ではなかったので今まで敬遠してきました。

 

それからしばらくしてネットサーフィンして全然関係ない記事を見てたらオナマスの名前が書いてあって「せっかくだし、今度こそ読んでみるか」と読んでみた次第です。

 

何の気なしに読み始めたら時間を忘れて最後まで読みきってしまいました。その興奮が続いているうちに感想(と色々と考えたこと)を書いていこうと思います。

 

 

感想

 読み終わって一番に思ったのは、「面白かった」。いや、本当に最初から最後までストレス無く読めて、単純にオナマスを読めてよかったなーと思いました。むしろ、なぜ自分は今までこの作品を読まずにほうっておいたのだろうか?と思うぐらいです。

 

まず、ストーリーがいい。主人公の黒沢がタイトルの通りのことを人の少ない放課後の学校の女子トイレ(!)でします。個人的にはこういう下らない、しょうもない感じのことが好きなので、そういうのが好きな人には合うと思います。

 

コメディの部分もシリアスな部分も最後まで楽しんで読めました。長岡・マギステルが付き合い始めて失恋したところからは、正直読むのが辛かったです。

 

月並みですけど、好きだった人が別の人と、特に仲のいい友人ともなるとすごく辛い。個人的にそのことは、よくわかる。前半のずっと抜いてるだけの黒沢はどこ吹く風でただひたすらにシリアスなシーンが続きます(今思うとタイトル詐欺なんじゃないかとも思える)

 

この作品のメインテーマ

 この作品はタイトルがアレなので誤解されがちですが、この作品の本当のメインストーリーは別に黒沢が女子トイレで毎日シコっていることではなく、その後の黒沢と他のクラスメイトとの関係です。

 

言ってしまうと、黒沢と滝川マギステルと北原綾の三人の関係です。

 

この作品はこの3人の関係がメインです。すべてと言ってもいい。

 

 この物語オナマスは黒沢と北原の勧善懲悪のような協力関係から始まり、マギステルと長岡の交際以降の黒沢の苦悩・後悔と衝動的な行動に走り、マギステルを傷つけてしまったあとで彼女の気持ちを知り、クラスに自分の罪を告白し、クラス中から白い目で見られ転落していくも、紆余曲折をたどって長岡・マギステルたちとの仲を戻し、北原が学校を去ってから、高校に進んでから北原を同窓会でクラスのみんなのところに説得して連れて行って終わります。(だいぶ省略しました)

 

 

面白かったけど、どうしても気になる点が…(主に北原について)

ただ、ひとつだけ気になるのは最終発の黒沢が北原を説得(更生)するところ。ここがどうしても納得がいかない。

 

二人が付き合ったことを知ってからの長い苦悩・後悔の果てに黒沢は長岡・マギステル達と(完璧に、とまではいかないまでも)以前のような関係に少しずつ戻っていきます。

 

黒沢は自分の罪(ぶっかけ)を告白した後、机への落書き・花瓶などのイタズラが続くようになります(これはまぁしょうがないことだと思います。なんなら今読み返すとこれでもだいぶ甘くしてもらっている。なんだかんだ黒沢の行為は犯罪なので)

 

北原は別の女子生徒からいじめられるようになります。黒沢は北原に「俺は卒業までこれに耐えてみせる」と言って、だから北原も頑張ろうというようなことを言います。

 

ただ、それってあくまで黒沢の境遇だから言える事であって、北原には当てはまらないんじゃねーの?

 

と思います。

 

黒沢はこのときぶっかけ事件の自白をしたことで、SOS団を除いてクラスのほぼ全員から無視され、机に落書きや花瓶を置かれたりと、イタズラをされています。

 

それに対して北原は以前から須藤・原田、物語の後半では荒井・榛名からいじめを受けています。

 

黒沢があのような状況になったのは黒沢自信の行動(と北原にも)に原因がありますが、北原は黒沢とは違って、ただ女子達からいじめられている。そこには何の理由もありません。根底の部分で黒沢と北原は境遇が違います。

 

そういう意味でクラスメイト達が黒沢にやっていることはクラスメイト達の野次馬精神のようなところも含めていじめとは呼べず、イタズラと書きました。そんな立場が違う状態で黒沢の北原に対しての「頑張れ」発言や、俺は卒業まで耐える、などの発言は意味がありません。むしろ北原がいじめられているときに黒沢(もっと言うと長岡たちも)はすぐに止めるべきだったのです。オナマスではなぜかそれが無く、結局北原が自分の手を彫刻刀で刺してから「なにやってんだ!」と言う始末。

 

ブーメランだよそれ。

 

 

 

・・・結局北原学校を不登校になった後、転校先の学校も行かず引きこもるようになります。これは明らかに北原に対してのいじめを止めることができなかった黒沢たちのミスで、なぜか教師に訴えることもせず見てみぬ振りを続けた結果です。北原が自分を傷つけて自ら退学することでしか自分へのいじめを止めさせられない皮肉な結果に終わります。

 

変わってしまった黒沢と変われない(?)北原

 その北原を紆余曲折を経て明るくなった黒沢(白沢)は同窓会に誘います。「あのメンバーで会うのはもう二度とないんだぞ」とか「来ないと、きっと後で後悔する」や「長岡にも会える」など。長岡にあって話すのは黒沢がマギステルへの恋をすっぱり諦めて生きていくことができたのを考慮するといい手段ではありますが、その前の2つは、なんだ。この黒沢は北原の事情をまったく理解していない。北原を北原を昔いじめていたクラスメイトの前に連れてきていいことって、あるんですかね?

 

 少なくとも北原にやったことを反省し後悔して謝るそぶりのありそうな須川は別ですが、その他のいじめていたメンバー、いじめを黙認していて傍観しつつ楽しんでいたメンバーらは作中で北原に対しての謝罪の気持ちが1度も表れることが無く、本当にそんなところに連れて行く必要があるのか、とどうも腑に落ちないところがあります。

 

結局のところ、最終発の黒沢は原因である北原へのいじめに関して何も考えず、結果である今の北原にだけ注目して自己啓発本に洗脳されたかのように北原を同窓会に引っ張ります。なんだか、初期のまだ黒かったときの黒沢が心の中で馬鹿にしている連中と同じ風になってしまっている、と言う印象です。この終わり方は正直言ってまったく理解できません。無条件に「クラスのみんなに会いに行こう」と言っている黒沢は結局いじめを見て見ぬ振りする人間になってしまった。百歩譲って見て見ぬ振りはいいけど(勿論よくはないけど)せめて、北原を誘わないでほしかった。最終的に北原はひきこもるのを辞めて高校生活をちゃんと始められるようになりますが、同窓会でいじめっ子たちが謝るシーンすらなかったので作者は全くそんなこと考えていなかったように思います。うーんなんとも。

 

『オナマス』のエンディングに対してのモヤッとした気持ち

オナマスの感想、と銘打ったものの後半はほぼオナマスのエンディングに対しての不満でした。でも、僕は オナマス本当に大好きですよ(嫌いなだけでここまで書けませんし)。最初も、中盤の2人が付き合ってからも(特に中盤は響いた)。

 

だからこそ、あのエンディングは惜しい。

 

黒沢はマギステルと長岡たちとの友情を取り戻したけど、北原は全く報われていない。本当にそこだけが惜しい。でも、またしばらくしたオナマスを読み返すと思います。だって面白いから。

 

 

 

 

 

 

最後に(個人的な作者への願望)

 

北原のアフターストーリー希望!!

 

オナニーマスター黒沢 (1)

オナニーマスター黒沢 (1)

オナニーマスター黒沢 (2)

オナニーマスター黒沢 (2)

オナニーマスター黒沢 (3)

オナニーマスター黒沢 (3)

オナニーマスター黒沢 (4)

オナニーマスター黒沢 (4)