松下哲也流多読術
先日、以前から私がTwitterでフォローしている美術史研究家の松下哲也さんがyoutubeチャンネルを開設してこんな動画上げたので紹介しようと思います。
私も大学の授業で本を読む必要があったり、たまに興味を持った分野について自分で本を借りて調べることがあったのでこの動画を見ました。
私がこの動画を見て非常に驚いたのは、2:06~あたりの
まず、本というのは頭からお尻まで読むものじゃないです。
という発言です。
また2:14からの発言
その本を借りて自分の棚に置いとくとか、どこの図書館のどの棚に刺さっているかを把握するだけで、あなたは8割がたその本を読んだことになる
にも非常に驚きました。
この記事を読んでる方は上の発言を聞いてどう思いましたか?
私は上の発言のような考えが全くなかったので最初に聞いた時は違和感、もっと言えば拒否感を覚えました。「マジか…」
なんというか、自分の今までの読書が否定されたような気がして。200ページの本があったら200ページ分よんでそれで次の本に行くようなものではないのか。というのが私のしてきた読書の方法でした。
しかし、続きを聞いてだんだん受け入れられるようになってきた、というか納得できるようになりました。
動画では松下さんは例としてミケランジェロについて調べる場合を上げて話を進めていきます。
美術史の本から索引でミケランジェロを探して該当するページを読んで、それぞれのトピックについてる注釈に参考文献があるのでそれを探して同じようなやり方で読んでいく。
4:25あたりから
本を芋づる式に掘り当てていくことになるわけですね。そういう風に自分の興味関心に従って、知の体系みたいなものが自分の中に形成されていくわけです。それが本の読み方の基本です。
こうして最後まで聞いてみると、結構腑に落ちるところが私には多々ありました。
私は今、自分の大学での専攻や履修科目とは全く関係なしに言語哲学の本を読んでいるんですが、正直つまらない。
正確に言うと、私の(言語哲学の中でも)特に興味のあるトピックが出てくるのが本の中盤くらいでそれまではそこまで多少近接はしているものの興味のさほどない話が続いていきます。
今だったら、さっきの動画のように自分の気になっているトピックを索引で調べて該当ページだけ読んでその本は返却(大学閉じてるんで返せませんが)してしまえばいいとわかります。
…たしかにそこまで関心を持っていない部分だと正直頭に残りませんね。現にあんま覚えてないです。
別の言い方をするんだったら「この分野のこの人の考えに興味がある‼ あ‼ 興味ある分野の概論書みたいなのある‼ じゃぁこの本のなかで興味あるところだけ読もう‼ 読んだ‼ さよなら‼」みたいなのが自分の興味関心に沿って読む、というやり方に一番忠実なやりかたなのかな、とも言えます。
このようにして本をまるごと読んで制圧するみたいな考え方ではなく、知りたいとこだけ読んで「知りたいとこ」を中心に本をとっかえひっかえしていって、そのトピックの知識を深めていく、というのが松下さんの言う正しい読み方ということなんだと思います。
結構あっさりとした感じで書いていますが、私の中ではものの見方が変わった出来事でした。この方法でいろいろ読んでいこうと思います。
よし、じゃぁさっそくヴィトゲンシュタインとサールについての本を借りに行こうかな~
…アレ?
大学図書館? 地域の図書館? ブックオフ? 大学の図書館の日本語の文献あんま充実してないオンライン利用機能?
みんな…どこ…?