粉瘤の手術をした
この前結構衝撃的な出来事があったので今日はそのことについて書こうと思います。
その日、私の住んでいるところは早朝からずっと豪雨でした。
風も非常に強く、部屋の外から絶えずぼうぼう風がなって窓が時々風圧に押されてガタガタ震えていました。
一言でいうなれば、悪天候
泣きっ面に蜂。
とにかくこの日の天気は最悪だった、ということです。
ただでさえ、このとき(たしか5月上旬くらい)多くの都道府県で不要不急外出を避けるようにと自粛要請が出ているにもかかわらず(補償はしてくれよな、と思いますが)、おまけにこの天候です。
よほど大切な予定でもない限り外に出るのは愚かであるとしか言いようがありません。
私だったらこんな最悪な天気の日にわざわざリスクを冒してまで外に出ようとは思いません。
しかし、私はこの日外出しました。
私は午後になってからいまだに勢いの衰えない豪雨と強風の中、一人家を出ました。
なぜか?
タイトルの通り、私は病院に行きたかったからです。
というより行かなければいけませんでした。
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以下、ここに至るまでの経緯を簡単に説明していきます。
また、この後の話は少し不快な表現が出るので苦手な方は戻ってください。
2か月ほど前、私は風呂上がりに自分のへそのあたりに小さなしこりのようなものができているのに気が付きました。
手で触って押してみると、球状のコリコリした固い物質があるのが感じられました。しこりとはいってもそこまで大きくなく少し膨らんでるな、くらいの感じでした。押しても痛みはなく、生活に支障もなかったのでこの時は放置していました。
そしてしばらくして、3月末ほど、少し恥ずかしい話になるのですが、私の腹部になぜか1本だけ濃く太く長い毛が生えていて、私は見栄えをよくしようと指で引っ張ってそれを抜こうとしました。
これが完全に間違いのもとでした
(…なんか、コレ私が通勤電車の混雑の次に嫌っているYoutubeの胡散臭いプロテインとかダイエット商材の広告みたいな話の流れになってませんか? 「俺はタカシ、今日は会社の同期にセッティングしてもらったコンパだあ! あの子かわいい…」みたいな奴。嫌だな、反吐が出るな…)
毛の生えていた位置がちょうど例のしこりがあった場所の近くでした。私が何度も毛を抜こうと皮膚を押してつまんで、と繰り返していると、突然、嫌な悪臭が広がりました。
その匂いの発生源は例のしこりでした。どうやら、毛を抜こうと皮膚を押し続けていた結果、近くにあるしこりにも刺激を与えて、膿を出してしまったようでした。
(ここからちょっと気持ち悪い描写注意)
膿は肌よりも少し濃いめの肌色といった感じで固体状になって出てきました。しかし、固体状といっても非常に柔らかく、指で押せば簡単に崩れるほどです。シャーベットをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれないです。
そして先ほども書きましたが、
とにかくクサイ。はっきりいってウ〇コみたいなにおいです。見た目も最悪なうえに匂いはウ〇コで気分が最低になります。
膿が結構たまっているらしく、押しても押してもまだへそのしこりからすこしだけ膿がちょろ・・・っとでてきます。キリがないので私はとりあえず膿の出る場所をティッシュで拭いてその日は寝ました。
翌日。朝起きてTシャツをめくってしこりを見ると見た目は大して変わらず。ただ、起きた時に体を動かしたせいか、少しTシャツのへその部分が臭かった。多分しこりに開いてしまった穴が開きっぱなしになっていたのだと思います。
このときはまだ今ほどコロナの影響は大きくなく(みんな軽く見ていた、といったほうが近いかもしれません)、まだ私のバイト先も休業になっておらず、私は当時週4とかでバイトに行っていました。
バイト先に通勤するときに私は晴れの日なら自転車で駅まで行きそこから電車、雨なら自転車の代わりに徒歩で駅まで、という風な通勤パターンだったのですが、今思うとこの行動も全部しこりに刺激を与えて膿を出させていたかもしれません。
バイト先に行って制服に着替えるときもやはり膿の匂いがうっすらとしました。毎日ではありませんが、私は膿の異臭が嫌だったので何度か寝る前に膿を出し切ってしこりが無くならないかと試みに押したりしました。
今思うとこれがとどめをさしました。
そんなこんなで過ごしてさらに数日たった時、私は朝起きて体を起こしたときにへそのあたりに痛みがあるのを感じました。見ると、しこりが赤く変色してかなり大きくなっていました。図にするとこんな感じです。(へそを見下ろした図です)
6年ぶりぐらいに開いたペイントで2分ぐらいで作ったんでクオリティは期待しないでください。そもそも絵心がないんで何時間あってもまともなものは描けませんが。
本題に戻ります。
私はしこりが痛みを伴い肥大化したのを受けようやく(遅すぎるくらいですが)スマホでこれがなんなのかを調べました。
このしこりは「粉瘤(ふんりゅう)」というそうです。アテロームともいうそうです。
「皮膚科Q&A」というサイト(URL:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa17/index.html)に説明が載ってたので以下に引用します。
アテローム(粉瘤・ふんりゅう、アテローマ)とは、一般的に“しぼうのかたまり”と呼ばれることがありますが、実は本当の脂肪の塊ではありません。皮膚の下に袋状の構造物ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)と皮膚の脂(皮脂)が、剥げ落ちずに袋の中にたまってしまってできた腫瘍の総称です。
要は皮膚の中に袋上のものができて、そのなかに垢とか脂とかの老廃物?がたまったものだと。できるまでのプロセスウンコとおなじじゃねぇか。
そりゃ確かに臭いわけです。で、さらに言うと私のは下記の引用でいうところの「炎症性粉瘤」にあたります。
中央の皮膚開口部より細菌が侵入して化膿することがあります。これを炎症(化膿)性粉瘤と呼びます。患部は赤く腫れ上がり、痛みを伴います(資料10)軽い炎症なら抗生物質を内服すれば炎症はおさまります。しかし、ひどく化膿すると皮膚の下の袋状構造物は破壊され、膿みがたまった状態(膿瘍)になります。この場合、抗生物質を内服しただけでは効果が少なく、表面を少し切開して膿みをだしたほうがよいことがあります。
(引用元:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa17/q04.html)
炎症が起こる原因としては、「傷口から細菌が入り込む」ことなどが挙げられていました。つまり、私がしこりから膿を出してしまってそこから菌が入ったのが化膿の原因だということです。
ここで私はさらに対応を誤ります。
すぐに皮膚科に行って診てもらえばいいものの、時間とともに沈静化するかもしれない、と思って病院に行かずに放置しました。痛みはあるが耐えれば何とかなる、という風にして。
私の期待とは反対に粉瘤は小さくならず日に日に大きくなり痛みも増しだしました。ある日バイトに行ったとき、私は制服に着替えるときにいつも結べていたベルトの部分に大きくなった粉瘤があたり、あまりにも痛くてベルトをきちんと通せませんでした。仕方なくベルトをふんわりと締め、粉瘤に触れないようにいつもよりも少し上の位置で結んで勤務しました。これで一応難は逃れたと思ったのですが、バイト中にも地獄を見る羽目になりました。
まず、いつもよりも早く歩けない。早く歩こうとすると粉瘤と服がこすれて痛むからです。同様の理由でしゃがめません。しゃがむのは特にへそに負担が集中するので一番痛いです。
昔のチキンナゲットのとかのソースが2つ入った袋折り曲げて出す奴ありますよね?
あれで例えると袋が私の体で、ソースが粉瘤です。わかりやすいですね。
こんなやつ。
その日のバイトを終えて私は気づきました。
もう無理めっちゃ痛い手術してもらおう、と
そのバイトの日が金曜日だったので翌日さっさと皮膚科に行けばよかったのですが、次の日は朝早くから夜まで用事があり、また受信することができませんでした。
そして日曜日、そもそも大抵の皮膚科は閉まってます。しかも午後からバイトです。
私は日曜日にあいてる皮膚科を一つ知っていたのですが、そこは近所ではなく私の通ってる大学の近くにありました。しかも、そのとき大学も閉まっていたので定期を更新していなくて、そこに行くにはそこまでの交通費が必要だったのですが、そのときの私の手持ちにそんな余裕はありませんでした。私は断念しました。
前日の夜、私は苦悶の表情で痛む腹部を抑えながら足を引きずり階段を上り自室の扉を開けて自室の扉を閉めていつもの5倍(*当社比)の速度で布団につきました。電気を消し、明日こそは皮膚科明日こそは皮膚科ついにこの痛みから解放される早く早くと願いながら眠りました。
そして待ちに待った月曜日。
ついに来ました。やったきた早く病院行こうよし服を着替え…ア”ッヅ!!?
雨‼? つか豪雨‼?
ここでこの記事の冒頭に戻ってきます。そうです。粉瘤がやばいが外もヤバイ、というわけです。
私は迷いました。さすがにこんな豪雨の中外を出るのはしんどい。ただでさえ負担が大きいのに私はすでにへそに爆弾を抱えています。行くに越したことはないのだが、そもそも外に出るような雨の量ではない。
私の家の窓という窓がドンキーコングの下Bみたいな音を立てているのです。
結局、躊躇してやらないよりかはやってしまおう、やって後悔しようと思い、意を決して私は家を出ました。
秒で後悔しました。外に出て豪雨をしかと目で見た時の絶望
折り畳みでない普通のサイズの傘をさしていったのですが、まぁ濡れる。ズボンは言わずもがな、なぜかシャツのとこまで雨が入り込んできて濡れました。
靴は…1分も持ちませんでした。豪雨に加えて玄関の前が水没しかけていてどう歩いても水流に足を踏み入れなくてはいけなかったからです。
遠くのほうでマンホールが外れて噴水ができていました。風流。
…近所の皮膚科は私の家から約10分ほどのところにあるのですが、天候に加え、粉瘤が痛いのでまともに歩くこともかなわず20分くらいかかりました。
そして到着。着いた時点で疲労がたまって帰りたくなりました。
豪雨なのでさすがにほとんど人はおらず、診察券を渡して4・5分ですぐに呼ばれました。
そして、診察。
診察室に入ってどう説明するか考えるのがめんどくさかったので「ちょっとコレ診てもらいたいんですけど…」と言いながらシャツをめくってみせると「おお、これは大変だね~、じゃぁ、そこ横になって」と言われ私は備え付けのベッドに横たわりました。
奥に先生が引っ込んですぐ戻ってきました。「いやぁ~危なかったね。もうちょっと進むと腹膜炎になってたよ」といいながらなんかいろいろ手に持ってました。
横たわってたのでよく見えませんでしたが、ビニール手袋をしてなんかよくわからん器具を持っていました。
まずへそを濡れた脱脂綿で拭いてそのあと、粉瘤から少し離れたとこに麻酔を打たれました。ちょっと痛いからね~と言われたけど、普通にめちゃくちゃいてえ
「ヴッ”」みたいな声出ましたよ。予防接種のよりも何倍も痛い。へそだとまた痛みが違うんですかね。
その直後、鋭利な刃物でへそを掻っ捌かれました。
この瞬間、私は
エ、早くない!?
あ、パウチじゃないんだ?
(詳しくは「くりぬき法」とかで調べてください)
と思いました。がそんな思考もつかの間痛みによってどっかに消えました。
痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え
麻酔まだ全然効いてないじゃん、なんか皮膚が切り裂かれる感覚感じたんだけど!? 私ナツキ・スバルじゃナイヨ?
今度は「うーぅぅぅ、おおっ、おぅぅ」みたいなうめき声が出た。
さらに拷問は続きます。
当然切られたので血と膿があふれ出してきます。それが、視界の奥にぼんやりと映ってましたが、当時は痛みでそれどころではない。
そしたら切り裂かれた傷口が包まれて
グッッ‼
と両手で膿を押し出すときのように(まさにそうしてるんですが)押されました。
これも痛い。脂肪を手の圧力だけで消滅させようとしてるかのように全力で押してくる。
痛すぎて腰が浮いた。
ベッドの上で血まみれのへそをつぶされながらブリッジをする変態になった。
圧を受けて噴き出した血と膿をガーゼでふき取り「ほら、こんなに出たよ」と先生が見せてきた。
ちげぇよまずいてぇ痛みどうにかして麻酔効いてる?なんか薬間違えてない?
そのあともっかい押されまして私はアーチになりました。
痛みで動けなくなってる私のへそにガーゼを貼って先生は椅子に戻って薬の説明をし始めました。ベッドを降りるのに1分くらいかかった。へそが燃えるように痛い。麻酔全然ひかない。
塗り薬やら飲み薬・毎日張り替えるためのガーゼをもらって帰宅。行きと同じく豪雨の中を行きよりも歩くの遅くなって10分の道を40分くらいかけて帰りました。
ズボンが濡れて色が変わり重くなりました。家についてからズボンを脱ぐことですら重労働でした。
足を曲げる→へそいたい
ズボンを脱ぐために体曲げる→へそいたい
なにをやっても手術後のへそが痛む。しかもまだ麻酔は効きません。
着替えの最中にふと昔同居してたじいちゃんの着替えがすごい遅かったことを思い出しました。今思うと、あれは遅いのではなく、じいちゃんにはあれがふつうだったんだなぁと。
しばらく何をする気にもなれず(何もすることはないですが)、ずっと椅子に座ってパソコンでyoutubeを見てました。痛みが引いてきたのは2時間後ぐらいでした。
当日は湯舟にはつからずシャワー浴して、と言われたのでざっとシャワーを浴びてすぐに寝ました。その日以降は特に注意はなかったのですが、1週間ぐらい風呂に入りたいと思いませんでした。
毎日夜にガーゼを貼りかえるのですが、日に日に傷口がふさがっていくのが見て取れました。
しばらくはガーゼを外すと血がどっぷりとついていましたが、数日すると、血は黒くなりほとんど固まって、さらに数日すると切られた傷口がだんだんとふさがっていきました。
冒頭に書いたと思いますが、この記事は手術当日に書いてはいたのですが、途中で放置していて、手術後の部分は手術のおよそ1か月後に書いています。手術から1か月後のへそはほぼ傷口は目立たなくなっています。
が、1つ誤解してほしくないのですが、まっすぐに切ったときの名残、というか横切り開いた時のあとはだいぶ小さくなったものの完全になくなりそうではないです。ここだけは小さくなってほぼくっついたものの跡は残っています。
私が受けた手術は切って膿を出すという方法ですが、最近では先ほど上でいった「くりぬき法(へそ抜き法)」という方法のほうが手術が楽で、術後の痕も小さく済むとのことで人気があるらしいです。
私はとにかく直してもらえればよかったのでどっちでもよかったのですが、痕をなるべく残したくない、という人は事前にその方法を行ってるかどうかを確認したほうがいいと思います。
以上豪雨の中粉瘤を切ってもらった話でした。
だいぶ長くなってしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
はてなブログは記事の編集用のページに文字のカウント機能があるんですが、それ曰く、いま6700字越えてるらしいです笑 こんなに描いたのは期末レポート以来かもしれません。
参考文献でも書こうかな笑
むすびに代えて
粉瘤できたら早めに病院行こう!! しこりは押すな!! 膿だすな!!
それでは!!